美容師さんの中には、シャンプー等の「店販商品」の販売を苦手だと感じている方も多いのではないでしょうか?それもそのはずです、基本的に美容師さんの通う美容専門学校では、美容技術の勉強は行われても商品販売の勉強は教えてくれないからです。
そんな美容師さん向けに「店販商品を売る事への苦手意識の克服方法」をお伝えできればと思います。まずは、店販を売る事のメリットに目を向けてみましょう。
店販を売る事のメリット
店販を売る事のメリットは店の売上が上がるなどいろいろとありますが、「苦手意識の克服」のために注目するメリットは、【お客様が喜んでくれる】という点です。
店販を売るとお客様が喜んでくれるの?嫌がられるんじゃないの?そう感じてしまっている方は、店販商品を売る事に対しお客様に迷惑がかかるという罪悪感を持たれているのだと思います。罪悪感を感じる事で、店販商品を売る事に苦手意識が発生しているのだと思われます。ではなぜ罪悪感を感じてしまうのでしょうか?お客様はカットやカラーをしてもらいたくて美容院に来てるのに、そこにシャンプーやトリートメントを買ってもらうために「無理やり」おすすめしたら嫌がられるんじゃないのかな?そんな事を感じているのではないでしょうか。いらないものを無理やりすすめられたらお客様も良い気がしません。いらない物を無理やりすすめるのではなく、お客様にとって喜びとなるような商品をお伝え出来たらお互いwinwinで幸せになれるのが店販商品です。
では、店販商品を売る事は本当に【お客様の喜び】に繋がっているのでしょうか?この点を深掘りしていきたいと思います。
人はどんな時に商品を買うの?
あなたはどんな時に物を買いますか?お腹がすいた時にパンを買ったり、季節の変わり目に好きな洋服を買ったり、そろそろ走行距離が伸びてきたので車を買い替えようかなど、何か必要を感じた時や、好みや直感で欲しいなと感じた時に買われる事が多いと思います。
美容院の店販商品も、お客様に「必要だな」、「欲しいな」と思ってもらう事ができたら「無理やり売る」のではなく「必要な物をお伝えする」ことに繋がります。必要と思っている物を美容師さんが教えてくれることに対してはお客様も嫌な気持ちにはなりにくいです。
商品をお客様に紹介する前に、美容院の商品特性を知っておきましょう。
美容院の商品はどのようなもの?
美容院の店販商品にはウィッグやヘアアクセサリーなど様々なものがありますが、一番の主役となる「シャンプー・トリートメント」をメインとして、美容院の商品とはどのようなジャンルに属するのかをお伝えしていきます。
まず、商品は大きく分けて「最寄り品」、「買い回り品」、「専門品」にジャンル分けされます。「最寄り品」とはパンや飴のように日常でよく買う商品でお客様も自分の好みで買う商品です。「買い回り品」とは洋服などのようにお客様が選りすぐりをして様々なお店を見て回り買う商品です。「専門品」は高級自動車や宝石など選りすぐるには特別な知識が必要となる商品です。
では、「シャンプーやトリートメント」はどのジャンルに属するでしょうか?シャンプーやトリートメントは基本的に日常使いされるものなので「最寄り品」に属します。最寄り品の特徴はお客様の好みで特に深く考え込む事もなく手軽に買われやすい商品です。さまざまな類似商品が出回り競合が多いジャンルといえます。競合が多いために、お客様に「特定の商品を買うために特定のお店に買いに行こう」と思わせ難いカテゴリーともいえます。ですが、これはドラッグストアー等に置いてあるシャンプーやトリートメントであった場合です。
美容院で販売する場合は、「最寄り品」であった「シャンプーやトリートメント」を「買い回り品」や「専門品」にランクアップする事が出来ます。「専門品」は特別な知識が必要な高級品が属するジャンルです。
美容院に置いてあるシャンプーやトリートメントは、クセ毛の方の髪質を落ち着かせたり、カラーの退色を防いでくれたり、さまざまな効能のある商品が存在します。そして、お客様はそのシャンプーやトリートメントの効果を知らないどころか、そのような商品が存在する事すら知りません。シャンプーやトリートメントは数多くあるけど、自分に本当に合った商品はどれなのかを知らないのです。美容院のシャンプーやトリートメントは美容師さんの専門知識でお客様に合った商品を選んであげる事で「買い回り品」や「専門品」として高い価値を発揮する事ができます。
お客様に「喜んでもらう」店販の売り方
お客様に喜んでもらう為には、①お客様の問題を把握する事、②お客様が必要と思っている事、③お客様の問題解決につながる商品を紹介できる事。この3つが必要となります。
①お客様の問題を把握する事
お客様が普段どのような事に悩み、解決したいと思っているかは人それぞれです。髪のボリュームを気にされているのか、パサつきや広がりを気にされているのか、はたまた薄毛を気にされているのかでお伝えする商品は変わってきます。お客様との会話で、お客様がどのような悩みを抱えているのかを把握しましょう。
②お客様が必要と思っているか
お客様の美意識も千差万別です。悩みを抱えていると言っても、なんとなく気になる程度の悩みだったり、お金を出してまで解決したいとは思っていないケースもあります。そのようなお客様に強く商品を勧めても嫌がられるだけです。キーワードは「お勧め」するのではなく「お伝え」する事です。このような商品があるという事をお伝えするだけで、欲しいかどうか、より詳しい情報を知りたいかどうかはお客様に委ねる事で押し売りになる事を防げます。
③お客様の問題解決につながる商品を紹介できる事
どれだけお客様の悩みや美意識の高さを確認できても、その悩みを解決できる「店販商品」を取り扱っていなかったら対応ができません。お店でどのような商品を置くかをしっかり吟味して素敵な商品ラインナップを揃えましょう。また、その商品を紹介するだけの知識が無いとお伝えする事ができないので、どのような店販商品なのかを知っておきましょう。
お客様にとって「必要なもの」、「使ってみたいな」と思える商品を教えてあげる事が出来れば、お客様も新しい発見にワクワクする事ができるようになり、普段髪を切るだけの美容院に+αの魅力を感じてもらえるようになります。店販はお客様にとって嫌な物ではなく美容院の魅力を増加させるアイテムとして活用していってください。
美容院の店販の売り方の勉強本
当ブログ書籍以外にも、美容院での店販の販売方法を勉強できる書籍がいろいろと存在します。店販はお客様の悩みの改善につながるアイテムとして活用できます。「店販の販売力」を身に付けることで、他の美容師さんとの差別化へと繋がりお客様により信頼してもらえる力を付けることができます。
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