繁盛する美容院における一番重要な要素は何でしょうか?
美容院だけに関わらず、お客さんと直接向き合ってサービスを行うサービス業全般に当てはまることですが、接客をするスタッフさんの笑顔や明るくハキハキとした受け答えが、繁盛するお店には1番に必要だといえるのではないでしょうか。そして、明るい接客を生み出す源泉は、『従業員のモチベーション』です。
『従業員のモチベーション』次第でお店の雰囲気は大きく左右されます。では、従業員スタッフのモチベーションが上がるお店作りはどのようにしていけばよいでしょうか?
今回は、書籍『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』を参考にお伝えしていきたいと思います。
スタッフのモチベーションが下がってしまう理由
みなさんは、お仕事をされているでしょうか?
お仕事をされている方は、自分はどのような時に仕事に対するモチベーションが上がり、どのような時にやる気が無くなるか少し考えてみてください。
いろいろなキーワードが浮かんできたかもしれませんが、モチベーションを左右するものは大きく分けて2種類に分類できます。それは「外的要因」と「内的要因」です。
「外的要因」は、主に給料や歩合などのご褒美的なものです。給与や歩合を沢山もらえることは直接的なモチベーションになりますが、気を付けてほしいのはモチベーションの向上ではなく、仕事に対して十分な見返りが無い場合の『モチベーションの低下』に気を付けてください。頑張っても、対して給与も変わらずしんどいだけだとなったら、モチベーションは上がりにくいです。
「内的要因」は、給与などの報酬とは関係なく従業員スタッフ本人が「やりがいを感じる」ものを指します。美容という仕事が好きで、練習の中で自分のレベルアップが感じれたり、表現したいものを表現する場が与えられたりなど、やりたい、楽しい、という物事に没頭するような要因を指します。
このよな要因がある中、上司や先輩の『下のスタッフへの接し方』がモチベーションの上下を大きく左右する原因となってきます。
日本企業の多くのマネージャーは『マイクロマネジメント』をおこなってしまっており、部下のモチベーションを下げる原因となっているケースが多いようです。
『マイクロマネジメント』とは、言い換えると『細かいところまで、全部チェックする上司』です。上司の思った通りにすべての仕事が行われていないと怒られてしまいます。これでは、まるで下のスタッフは上司の手足となるロボットのように感じてしまうでしょう。
やりがいを感じ、楽しい、もっと向上したいと思える仕事には、『自分達で考え、改善し、結果を感じる』ことが重要ではないでしょうか。
意識調査でチェックしよう!
以下は、書籍『日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』から抜粋した従業員の意識調査です。従業員に対し以下の項目で「同意する・同意しない」のアンケートを匿名で行うものです。
- 上司から常に尊重した扱いをうけている。
- 仕事をきちんと処理するために必要な資源がある。
- 仕事に見合った給与を受け取っている。
- 組織の使命と目標に関して理解している。
- 組織の上層リーダーを信頼している。・・・一貫性大切
- 組織内において仕事面での成長の機会がある。
- 上司は仕事と生活のバランスをとることの重要性を理解している。
- 上司から役に立ち建設的なフィードバックを受け取っている。・・・前後背景、理由、目的、ポイント
- 組織内で品質に関する非常に高い標準を維持している。
これらの意識調査で同意するが多いお店はきっと繁盛店だと思います。以下に筆者が考えるモチベーションを上げるお店作りを意識調査の項目に沿ってお伝えしていきます。
モチベーションが上がるお店作り!
1.上司から常に尊重した扱いをうけている。
感情で下のスタッフを怒鳴り散らしている先輩はいないでしょうか?「怒る」は怒りの感情のはけ口であり、何の生産性も産みません。「叱る」はそのスタッフの成長を促すために必要な事を伝える行為です。怒っていないか見直してみてください。
2.仕事をきちんと処理するために必要な資源がある。
職場環境の働きやすさをチェックしてみてください。必要な機材や薬剤だけでなく、スタッフルームはスタッフが過ごしやすい環境になっているかにも目を通してみてください。
3.仕事に見合った給与を受け取っている。
外的要因で説明した通り、努力に対し報酬が低すぎるとモチベーションが低下し仕事をセーブしてしまう原因となってしまいます。売上と利益率を考慮し、適切な給与体系の構築が必要です。
4.組織の使命と目標に関して理解している。
これは、企業理念やビジョンといったものの重要性です。いわば、社長の熱い想いです。社長はなぜこの会社、お店を作ったのか?社会に対しどのように+の影響を与えようと考えているのか?それを、毎回口に出し、社長自らが言動を一致させ従業員に伝えていく必要があります。
5.組織の上層リーダーを信頼している。
先輩やマネージャーの立ち位置の方は、下のスタッフの事を想い、下のスタッフのプラスになる事を考え、日頃から伝える習慣が重要となってきます。マイクロマネジメントで細かい事までチェックするのではなく、この仕事や技術にはどのような意味があり、どのような目的で行っているのか、どのような結果を求めており、必要なポイントを教えてあげる。上の人が下の人を支え成長させていってあげる企業文化を作っていくことが重要です。
6.組織内において仕事面での成長の機会がある。
成長を感じる機会の提供も会社の重要な役割です。ハード面の技術的な成長だけでなく、ソフト面の部下への対応力や人間関係構築力にも目を向け、人間的な成長も視野に入れるとよいのではないでしょうか。特にソフト面の教育を怠っている企業が多いので逆にソフト面の教育力を伸ばすことで他社との差別化となり、スタッフが集まってくるお店作りができるのではないでしょうか。
7.上司は仕事と生活のバランスをとることの重要性を理解している。
単身赴任の上司は部下へのハラスメントを行う率が高いというデータがあるようです。生活と仕事のバランスを整える事も、社内が円滑化しモチベーションの高い職場作りの一環となります。
8.上司から役に立ち建設的なフィードバックを受け取っている。
組織の上層リーダーを信頼している。の項目で述べましたが、上司や先輩の役割は、下のスタッフが行うことを細かくチェックする事ではなく、仕事の前後背景や理由、目的、ポイントを伝える事が大切です。下のスタッフが間違ってしまった場合、間違いを怒るのではなく、どのように伝えれば間違わず上手くいくかを考える事が重要です。
9.組織内で品質に関する非常に高い標準を維持している。
これは、お店が提供するサービスに対し自信と誇りを持てるかに関わってくると思います。何も高級店でなければダメといっている訳ではなく、その価格に見合った最高のサービスを提供出来ているかが重要なのだと思います。
これらのチェック項目で、いくつ合格点を出せたでしょうか?まだ出来ていない項目を一つずつ改善していく事でスタッフが笑顔でモチベーションの高い、団結力の強いお店作りが出来ていくと思います!
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